残業代請求

「持ち帰り残業」は残業代請求できる?弁護士が事例を元に解説!

「持ち帰り残業」は残業代請求できる?弁護士が事例を元に解説!
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1.この記事の要約

この記事は、東京地裁令和2年3月25日判決(アルゴグラフィックス事件)を参考にしています。

所定労働時間内で仕事が終わらなかったことから、仕事を自宅に持ち帰って仕事をした(いわゆる「持ち帰り残業」をした)場合、残業代を請求することはできるのでしょうか。

残業代を請求するためには、当該労働時間が「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」(最一小判平12.3.9三菱重工業長崎造船所事件)であるといえる必要があります。

しかし、持ち帰り残業を行う自宅は、あくまで自由空間であることから「使用者の指揮命令下に置かれている時間」とは言えないのではないかという問題があります。

今回紹介する判例は、労働者が送信したメールの時間及び内容、会社から貸与されていたパソコンのアクセスログを根拠に、持ち帰り残業が「使用者の指揮命令下に置かれている時間」であるとして、労働時間性を認めました。

2.この記事の対象の方

  • 残業代が支払われていない方
  • 持ち帰り残業を行っている方

3.詳細

⑴ 争点について

本件判例では、持ち帰り残業が使用者の指揮監督下にある労働といえるかが争いとなりました。

⑵ 争点についての結論

本件判決では、概ね以下のような認定をしました。

  • 労働者は、業務が終わらず夜遅くまで退勤することができない事態が常態化していたことから、タイムカード上で比較的早い時間に退勤した日であっても、その時間までに業務が終わっていたとは考えにくく、自宅で業務を行わっていたものと考えるのが相当である。
  • 上司は、労働者から休日並びに深夜及び早朝の時間帯に業務に関するメールが多数送られてきているにもかかわらず、これについて作業を中止するよう何らかの指示を行わず、むしろこれを黙認ないし容認し、労働者に持ち帰り残業を継続させた。

⑶ 最終結論

以上の事実等から、本件判決では、労働者が自宅で勤務をしていたこと、また、労働者が行っていた持ち帰り残業が労働時間に該当することを認めました。

4.諦めないでください!

会社から、「持ち帰り残業は指揮監督下の労働とは言えないから残業代を払うことはできない」や「持ち帰り残業を指示したことはないから残業代を払う義務はない」などと主張されたとしても、会社に対し、残業代を請求することができる可能性があります。

諦める必要はありません。

残業代について少しでもお悩みでしたら、是非1度弁護士に相談してください。

投稿者プロフィール

牧野 孝二郎
牧野 孝二郎弁護士法人PRESIDENT弁護士
法律専門家として優れていること、そして、優しく誠実に依頼者に寄り添う弁護士であることを理想とする。
大手法律事務所で、事業部の責任者を務めた後独立し、自身の思いを名前に冠した「優誠法律事務所」を設立。
その後、「テクノロジーと人の力で、権利が自然と実現される未来を創る」という弁護士法人PRESIDENTの理念に共感し、入社。
現在は、労働問題及びネットトラブルの事業責任者として、これらの問題を取り扱う。

■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 弁護士法人PRESIDENTにて勤務

■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
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