残業代請求

残業代の基本ルールや未払い残業代の請求方法について解説!

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残業代の未払いは減少傾向にあるとはいえ、依然として深刻な問題となっています。勤め先の会社で「もらっている残業代が実際の残業時間より全然少ない」「毎月サービス残業を強いられている」などの不満を持ちながらも我慢してきたが、退職を決意したときに未払い残業代を請求したいと思う方は多いのではないでしょうか。

本記事では、残業代の基本ルールや残業代未払いが起こりやすい勤務体系、未払い残業代の請求方法など、残業代にかかわる基本知識について解説します。

1. そもそも「残業代」とは?

「残業代」とは、会社の事業者ごとに定める所定労働時間を超える時間労働した場合に、超過時間分に対して支払われる賃金です。なお、法定労働時間(1日8時間・週40時間:労働基準法第32条)を超える時間労働した場合は、労働基準法第37条が定める割増賃金を支払うことが義務づけられています。

所定労働時間が1日8時間である場合は残業代イコール割増賃金となりますが、8時間を下回る場合は8時間に満たない分の所定時間外労働についてはその時間に相当する通常の賃金が支払われることになります。所定労働時間が1日7時間のところ、8時間労働した場合には、1時間分の残業代が支払われますが、法定労働時間の範囲内ですので、割増しはされません。

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2. 残業代に関する基本的なルール

残業代の支払が問題となる場合、「そもそも法定労働時間外の労働を行ったことを主張できるか」「残業時間に対して適用される割増率は何%になるか」「残業代を計算する上で60分未満の時間をそのまま合計するのか、10分・15分などの単位で四捨五入や切り捨てを行うのか」など把握しておくことが必要となります。本章ではそのような、残業代に関する基本的なルールについて説明します。

2-1. 36協定

使用者は、労働者に対し、法定労働時間を超えて、または法定休日に労働をさせることができないのが原則です(労働基準法32条)。

しかし、例外として、使用者と労働組合(または労働者の過半数の代表者)との間で時間外労働に関する取り決め(労使協定)を行った場合には、法定労働時間を超える労働(時間外労働)や法定休日における労働(休日労働)をさせることができます。この労使協定については労働基準法第36条が定めていることから「36(さぶろく)協定」と呼ばれています。

2-2. 労働時間の上限

36協定が締結されている場合でも、時間外労働及び休日労働について、法は制限を設けております。

労働基準法第36条4項により、時間外労働の上限時間は、原則として月45時間以下及び1年に360時間以下と定められています。また、同第36条5項は、当該事業場において通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合、1ヶ月あたり100時間未満・1年に720時間以下及び月45時間を超える月数は1年に6ヶ月以内と定めました(いわゆる上限規定)。

これに違反した場合、労働基準法第119条により、使用者は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が課されます。

2-3. 割増賃金の種類と割増率

割増賃金の種類と割増率については、労働基準法第37条1項本文・但書及び4項により、以下のように定められています。

  • ①労働日の時間外労働:通常の賃金の25%
  • ②休日の労働時間:通常の賃金の25%以上
  • ③深夜労働(22時~翌5時):25%以上
  • ④1ヶ月あたりの時間外労働が60時間を超えた場合:その超過時間分に対して通常の賃金の50%以上(①に25%上乗せ)

なお、①と③、②と③が重複した場合には、割増率は合算されます。

従って、①と③が重複した場合は、割増率は50%以上(④と重複した場合は75%)、②と③が重複した場合には、60%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

2-4. 残業代計算のための時間単位

(1)残業代は1分単位で集計し、支払うのが原則

残業代を計算する上で、労働時間は1分単位で認めなければなりません。これは労働基準法第24条が「賃金は(中略)その全額を支払わなければならない」と定めているためです。例えば残業代を15分単位でカウントしている場合、15分に満たない労働時間とその対価である賃金を切り捨てていることになり労働基準法違反となります。

(2)1ヶ月単位で残業時間を計算する場合は30分未満の切り捨てが認められる

ただし、厚生労働省労働基準局の見解に基づき、1ヶ月の時間外労働を通算して計算する場合には、30分未満の切り捨て及び30分以上の切り上げを行うことが認められています。

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3. 残業代の計算方法

残業代の計算は、勤務体系などにより複雑になる場合がありますが、基本的には

「1時間あたりの基礎賃金×割増率×残業時間」

です。

ここにいう「1時間あたりの基礎賃金」は、

「月給÷1ヶ月平均所定労働時間」

で計算されます。ここにいう「月給」は、基本給と各手当を加算した金額を指しますが、以下の手当については、(一律支給される場合を除き)加算することができません。

・家族手当・扶養手当・子女教育手当
・通勤手当
・別居手当・単身赴任手当
・住宅手当
・臨時の手当(結婚手当、出産手当など)

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4. 残業代未払いが発生しやすい勤務体系

残業代は、法律で明確に「労働基準法の労働時間及び割増賃金の規定を適用しない」と定められた勤務体系の職種を除いて、支払われなければ労働基準法違反となります。一方、そのような適用除外の職種に該当しないにもかかわらず、残業代未払いが起こりやすい勤務体系があります。勤め先の会社での勤務体系がその例に該当する場合は特に注意が必要です。本章では、残業代の未払いが発生しやすい勤務体系の例を紹介します。

4-1. 固定残業制(みなし残業制)

固定残業制(みなし残業制度)とは、毎月基本給に加えて定額の残業代を支給する制度です。

固定残業制では、時間外・休日・深夜労働の割増賃金を基本給の中に組み入れて支払う方法と、一定額を手当として支払う方法のいずれかがとられています。毎月一定時間の残業が生じることが想定される職場や、繁忙期と閑散期の業務量の差が大きい職場で導入されることが多いです。

固定残業制のもとでも、給料に含まれる残業代に相当する残業時間を超える時間の残業を行った場合は残業代が発生し、支払わなければなりません。

そして固定残業代制をとる会社や事業所では就業規則に賃金の計算方法に関する定めとして以下の記載を行い、従業員に周知しなければなりません(労働基準法第89条2号)。就業規則の作成義務がない会社や事業所(常勤従業員10人未満)の場合は、個別の従業員との間で合意する必要があります。

  • ①固定残業代が何時間分の労働時間に相当するか
  • ②固定残業代として支給する金額
  • ③実際の労働時間が①を超過した場合に法定の残業代を支払うこと

しかし、固定残業制をとっていながら就業規則に定めていなかったり、従業員との合意がないというケースも少なくありません。そのような職場では、固定残業代に相当する労働時間を大幅に超える時間残業させていながら残業代を支払わないという違法状態が発生しやすくなっています。

4-2. 変形労働時間制

変形労働時間制(労働基準法第32条の2)とは、会社が月単位・年単位など一定期間の間で総労働時間を決定し、週あたりの平均が40時間となるように各週の労働時間を調整する制度です。繁忙期・閑散期など会社や個々の事業所・部署の事情に合わせて労働時間規制を柔軟化することを目的とする制度です。

変形労働時間制のもとでは1日あたりの労働時間が8時間を超えたり、週あたりの労働時間が40時間を超えることがありますが、1期間ごとの週平均が40時間を超えていなければ残業代は発生しません。しかし、40時間を超えた場合はその超過時間数分の残業代が発生します。変形労働時間制のもとでは所定の労働時間が1日ごと、あるいは週ごとに異なるため、通常の労働時間制をとる場合に比べて勤怠管理が複雑になり、残業代が発生していても見落とされたり、従業員側が気づかない可能性があります。

4-3. 名ばかり管理職

労働基準法41条2号では、「監督もしくは管理の地にある者」(管理監督者)については、法定労働時間や休日労働等に関する規制は適用しないとされています。

そのため、課長や店長・マネージャーなど、形式的には、一般的に「管理職」とみなされる役職に就いているものの、実態として一般の従業員とさほど変わりがない労働者(いわゆる「名ばかり管理職」)が、勤め先から「管理監督者」と判断され、割増賃金の支払いを拒否される場合があります。

しかし、厚生労働省の解釈では、「管理監督者」にあたるか否かは、勤め先での肩書きなど形式的・主観的な事情ではなく、個別の実態に即して客観的に判断されるべきとしています。

裁判例上は、「管理監督者」とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者とし、具体的には以下のような基準で該当性を判断しています。

  • 労務管理上の使用者との一体性(経営上の重要事項に関する権限や部下の人事権を有することなど)
  • 自身の勤務態様、特に労働時間について裁量権を有すること
  • 一般の従業員に比べて、その地位と権限にふさわしい賃金上の処遇を与えられていること

従って、この基準にあてはまらない場合は、課長・店長・マネージャーなどの役職に就いている従業員であっても労働基準法第41条2号の「管理監督者」にあたらないので、残業代が支払われなければ労働基準法違反となります。

しかし、名ばかり管理職については、厚生労働省の通達や裁判例が存在するにもかかわらず、現在も残業代が支払われていないケースが少なくありません。

4-4. 年俸制

年俸制とは、あらかじめその年度の年間給料を定めておく制度です。年俸制のもとでの給与の支払いは、以下のいずれかの方式により毎月支払われるのが一般的です。

  • ①年俸を12で割った金額を1ヶ月ごとの給料とする
  • ②年俸を16で割った金額を毎月の給料とし、そのうち4ヶ月分を賞与として所定の月に支払う(例:6月と12月に2ヶ月分ずつ支払う)

年俸制のもとではその従業員個人の成果によって翌年度の給料が大幅に上がる可能性がある反面、労使ともに日ごと・週ごとの労働時間の概念があいまいになりやすく、残業代は発生しないと思われがちです。しかし年俸制をとる場合でも労働基準法の労働時間の規定は適用されるので、法定時間外の労働に対する割増賃金は支払われなければならないのが原則です。また、年俸制に加えて固定残業制・名ばかり管理職及び後述の裁量労働制が適用されている場合は、それらの制度下で残業代が発生する場合には、使用者に支払義務が生じます。

4-5. フレックスタイム

フレックスタイム制とは、会社側が最大3ヶ月の範囲で一定期間内の総労働時間を設定し、1日あたりの労働時間及び始業・終業時刻については個々の従業員が決めることができる制度です。この期間は「清算期間」と呼ばれ、残業時間についてはこの清算期間ごとに計算します。例えば会社が清算期間1ヶ月・総労働時間170時間と定めた場合、ある従業員の1ヶ月間の労働時間が170時間を超えていれば超過時間分の残業代が発生します。フレックスタイム制は従業員のワークライフバランスを向上させる効果がある反面、個々の従業員ごとに日ごと・週ごとの労働時間が変動するため、特に短時間の残業時間については見落としやすくなるという問題があります。

4-6. 裁量労働制

裁量労働制とは、業務遂行の手段や時間配分を労働者の裁量に委ねる制度です。「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」に分かれています。裁量労働制のもとでは労使協定で定めた時間数だけ労働したものとみなされます。例えば「1日8時間労働したものとみなす」と定めた場合は実際の労働時間にかかわらず8時間労働したものとみなされます。

他方、法定時間外・休日・深夜早朝労働や休日に対する労働基準法の適用が除外されるわけではないことに注意が必要です。例えばみなし労働時間が9時間である場合は、法定労働時間を超える1時間分について割増賃金の対象となります。また、所定の休日が土曜・日曜・法定祝日である会社で、それらの日に労働した場合も(みなし労働時間数にかかわらず)割増賃金が支払われなければなりません。しかし、裁量労働制のもとでは深夜早朝労働や休日出勤が「残業」として扱われないという問題が起こりやすくなります。

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5. 未払い残業代を会社に請求する方法

支払いを受けていない残業代があることは、会社は労働基準法に違反しており、未履行の賃金支払債務があることになります。つまり、従業員には未払い残業代の支払いを受ける法的権利があります。本章では、未払い残業代を会社に請求する方法について説明します。

5-1. 会社と話し合いによる交渉を行う

まずはじめに、会社に対して任意交渉を申し入れることが考えられます。後述しますが、会社が交渉に応じるか否かを問わず、請求権の時効が近づいている場合には、会社に対し、内容証明郵便を送るなどして、未払い残業代を請求してください。なお、証拠が会社側にある場合、会社が任意で開示してくれる場合や残業代支払いに応じる場合は問題ありませんが、交渉がまとまらず証拠開示もしてくれない場合には、訴訟提起に備えて証拠保全手続を行う必要があります。消滅時効及び証拠保全手続については次章で説明します。

5-2. 労働基準監督署に申告する

残業代未払いは法第37条に違反するので、労働基準監督署の方面(監督)課に申告することができます。労働基準監督署に申告する場合、未払い残業代の証拠を揃えておくことが必要です。必ず臨検(立ち入り検査)や行政指導を行ってくれるとは限りませんが、職場で他にも残業代未払いの従業員が存在する場合は、複数で証拠とともに申告することにより、臨検を行い、残業代を支払うよう指導してくれる可能性があります。

5-3. 法的手段をとる

(1)労働審判

任意交渉が成立しなかった場合、法的手段として労働審判の申立てを行うという方法があります。初回の期日を経て話し合いによる解決の見込みがあると判断されれば調停手続、それが難しいと判断されれば審判により解決策が提示されます。

労働審判は一般的に以下のようなメリットがあるといわれます。

  • ①原則として3回以内の期日で審理が終了するため、訴訟に比べると早期解決が期待できる
  • ②従業員側と会社側双方から選ばれた労働審判員が関与することにより同様の事例をふまえた解決策を提案してもらえる
  • ③審理が原則非公開で行われるため、プライバシーが守られる

他方、審判結果に対して一方が異議を申し立てた場合や、労働審判委員会の判断で審判を終了させた場合は訴訟に移行することになります。この場合、さらに時間のかかる訴訟手続を行わなければならないため、審判に費やした時間や労力が無駄になってしまうともいえます。

(2)民事訴訟

任意交渉の段階で会社側が未払い残業代の存在を否定したり、証拠開示に応じなかったり、不当解雇を争うことやパワハラなどが原因で自主退職するのと併せて未払い残業代を請求するというように会社との歩み寄りが難しい場合には、労働審判を経ずに訴訟を提起することが考えられます。未払い残業代の請求金額が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所に訴訟提起します。

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6. 未払い残業代を請求する際の注意点

会社に対して未払い残業代を請求する際、特に注意することとして「残業代が発生してから一定期間に請求する」ことと「客観的な証拠を揃えておく」ことが挙げられます。本章ではこの2点について説明します。

6-1. 残業代発生から3年以内に請求すること

労働基準法115条により、賃金請求権はこれを行使することができる時から5年間(中略)で時効によって消滅すると定められています。ただし、この消滅時効期間は、労働基準法第143条3項によって「当分の間(中略)3年間とする」という経過措置が設けられております。従って2023年5月の時点では残業代が発生した時点から3年以内に請求する必要があります。

つまり、月給制で給料の支払いを受けている場合は、未払い残業代が毎月消滅時効にかかっていくことになります。

消滅時効が迫っている場合には、内容証明郵便を送るなどして未払い残業代を請求することで、消滅時効期間を6ヶ月間伸長することができます(ただし、6ヶ月以内に訴訟提起等をする必要があります。)。

特に未払い残業代が3年近く前から累積している可能性がある場合は、できる限り早く内容証明郵便を送るなどして、会社に対し未払残業代を請求する必要があります。

6-2. 証拠を用意すること

(1)必要な証拠

・雇用契約書や給与明細

未払い残業代の計算の基礎となる基本給・諸手当の金額、残業代支給についての取り決め等が記載されています。

・就業規則

未払い残業代計算に必要な「就業時間・時間外労働・休日」についての記載があります。

・その従業員の実際の始業時刻と終業時刻を立証する資料

タイムカード・業務用メールアカウント送受信履歴

・残業時間していたことを立証する資料

残業指示書・承諾書・残業中のメール送受信履歴

(2)訴訟提起する場合の証拠保全手続について

会社側が保持している証拠について会社が開示してくれない場合、訴訟提起することを前提に証拠保全申立てを行い裁判所に証拠開示命令を出してもらうという手段をとることができます。申立てにあたっては印紙代と切手代(執行官から会社宛の証拠保全手続開始の送達用)がかかります。

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7. 未払い残業代の相談窓口

未払い残業代に関する相談先としては、弁護士の他、労働基準監督署などの厚生労働省管轄の公的機関があります。本章では未払い残業代の相談窓口を紹介します。

7-1. 弁護士

未払い残業代の見積もりが数十万円~100万円以上に及ぶ場合や、その他の請求を併せて行いたい場合などは労働問題に強い弁護士に相談することをお勧めします。

7-2. 労働基準監督署

労働基準監督署は労働基準法違反行為を行っている会社や事業所に対して違法状態を是正させることを目的としています。残業代未払いは労働基準法違反にあたるので、申告すれば相談に応じてもらえます。また、残業代請求方法についてのアドバイスも受けられます。他方、労働基準監督署は公的機関であるため、警察と同様に個人のトラブル自体を解決してくれるわけではありません。また、「36協定なしで複数の従業員に対して毎月100時間以上の残業をさせている上に全く残業代を支払っていない」等、強い違法性が疑われる場合には臨検(事業所立ち入り)や是正勧告を行ってくれる可能性が高いですが、単一の例にとどまる場合には動いてくれる可能性が高いとはいえません。

7-3. 総合労働相談コーナー

労働基準監督署や労働局で開設している総合労働相談コーナーでは、未払い残業代などの労働問題について無料で相談することができます。労働基準監督署に相談内容引継ぎも行います。

7-4. 労働条件相談ホットライン

厚生労働省から委託を受けて民間企業が運営している無料の電話相談サービスです。労働基準監督署が閉庁している土日の9時~21時と平日の17時~22時に相談を受け付けています。残業代不払いについても専門知識を持つ相談員が対応し、対処方法を教えてもらうことができます。

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8. 未払い残業代を弁護士に依頼するメリット

未払い残業代の請求を弁護士に依頼することには以下のようなメリットがあります。

①客観的に未払いの残業代が発生しているか、発生しているとすればいくら請求することができるかを正確に教えてもらえる

②未払い残業代を請求するために、どのような証拠をどのように集めればよいか教えてもらえる

未払い残業代の請求にあたっては、雇用契約書や労働条件通知書など自身が保管していれば利用できるもの以外に、業務アカウントによるメールの送受信履歴など、消去してしまっていて会社側だけが保持しているデータもあります。容易に入手できない証拠についても収集が必要なのか、必要であればどのように入手すればよいかなど従業員個人にとって「壁」となりやすい問題についても弁護士に教えてもらったり、手続を代理してもらったりすることができます。

③会社との交渉を任せることができる

未払い残業代の請求にあたっては会社側と交渉しなければなりません。しかし、従業員個人で交渉しようとすると取り合ってくれない可能性があります。また逆に会社側が顧問弁護士を立ててくることもあります。弁護士に依頼していれば会社側の対応に関係なく、未払い残業代請求に向けての交渉を対等に行うことができます。

④交渉がまとまらなかった場合の労働審判や民事訴訟などの法的手続を任せることができる

未払い残業代の請求にあたり、証拠収集・交渉とともに壁となるのが法的手段をとる場合です。労働審判は手続が比較的単純で短期間で終結させることができますが、やはり申立てから審理まで全て一人でやることは容易ではありません。さらに訴訟提起するとなると、証拠収集に加えて口頭弁論での陳述も求められるため少額訴訟や簡易裁判所への訴訟提起であっても一人でやることには大きな負担が伴います。弁護士に依頼していれば労働審判・民事訴訟ともすべて任せることができます。

特に未払い残業代の金額が数十万円~100万円以上になると見積もられる場合、請求手続を従業員一人で行うことは困難であるといえます。残業代請求手続代理・代行には費用がかかりますが、弁護士に依頼することで確実に未払い残業代の支払いを受けることができます。また、多くの法律事務所では初回相談や初回相談の一定時間(30分~60分程度)を無料としているので、無料相談を利用して問題点を的確に整理することで費用を抑えることが可能です。

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9. 残業代に関してよくある質問と回答

残業代に関しては、法律事務所でも会社側・従業員側の両方からさまざまなご相談をいただきます。本章では、それらのうち頻繁にお受けする内容の質問とそれに対する回答をご紹介します。

9-1.「労働時間」の内容

Q.定時を過ぎて、残っている仕事がないはずなのに帰宅せずにお茶を飲んだりスマホを見て時間をつぶしている社員がいます。このような社員に対しても残業代を支払わなければならないのでしょうか。

A.「労働時間」は、業務内容を問わず「被用者が使用者の指揮監督下にある時間」を指します。そのため、見た目は単に時間をつぶしているだけのようであっても実態として指揮命令下にあり、業務の指示を待機していなければならない状況であるという可能性もあります。指揮命令下にあるとはいえないのに社内にとどまっているだけの時間を残業時間に含めて申告することがないようにするためには、終業後には一定時間(例えば10分)以内に退社するなどのルールを設けることをお勧めします。

9-2. 残業代の計算方法

Q.うちの会社の定時は17時なのですが、給与明細を見ると18時25分まで残業しても残業時間は1時間、18時50分までは1時間30分というように30分未満の残業時間が切り捨てられています。残業時間の計算は1分単位で行われなければならないのではないでしょうか?それとも就業規則で30分未満切り捨てと定めていればそれも適法なのでしょうか。

A.労働基準法上、残業代は原則として1分単位でカウントしなければなりません。ただし、1ヶ月単位で残業代を計算する方法をとっている会社ないし事業所では、1ヶ月単位で残業30分未満切り捨て・30分以上切り上げとする(30分で四捨五入する)ことは労働者に不利にならないので認められます。この場合、残業時間は「1時間単位」で計算することになります。これをあてはめると、本件では18時25分までを1時間とカウントすることは問題ないのですが、18時50分までの残業に対しては30分以上切り上げにより「2時間」とカウントしなければなりません。従って、就業規則で「30分未満の切り捨て」のみを規定していることや、それに従った残業代計算を行っていることは労働基準法違反となります。

9-3. 名ばかり管理職問題

Q.現在課長職にあるのですが、課長レベルの管理職手当が月3万円出るかわりに残業手当が全く出ないことになっています。課長になってからの残業時間は毎月50時間を優に超えています。また、部下が残業している状況で自分だけ帰宅することはできない状況です。人事部に問い合わせたら課長以上の管理職に対しては管理職手当が支払われるから残業代は支払われないといわれました。しかしこれでは責任だけ重くなって給料が大幅に下がっているようなもので不当だと思います。形式的に管理職手当が出ていれば違法ではないということでしょうか?

A.結論からいうと、違法である可能性が高いです。労働基準法第41条2号は「管理監督者」に対して同法の労働時間・休日等の規定が適用されないと定めていますが、判例上この「管理監督者」の該当範囲は以下のようにかなり狭く解釈されています。

  • 労務管理上の使用者との一体性(経営上の重要事項に関する権限や部下の人事権を有することなど)
  • 自身の勤務態様、特に労働時間について裁量権を有する持っていること
  • 賃金体系が、一般の従業員に比べて、その地位と権限にふさわしい賃金上の処遇を与えられていること

本件では、課長職というポジションや管理職手当の金額、労働時間について裁量権を持っているとはいえない事情などから考えて「管理監督者」にあたらない可能性があります。さらに、労働基準法第36条5項により、1ヶ月あたり45時間・年間360時間を超える時間外労働については臨時的・突発的な事情による業務量の増加により必要な場合のみ1か月あたり100時間・年間720時間まで認められるのですが、本件でそのような臨時的・突発的な事情がなければ、残業代が支払われていないことに加えて残業時間自体が違法である可能性があります。

Q.ITエンジニアなのですが、うちの会社ではエンジニアに対して年俸制かつ裁量労働制をとっているので残業代が出ないことになっています。みなし労働時間は1日8時間なのですが、もし8時間以上働いた時間が残業時間にあたるとすると月によっては残業時間が100時間を超える計算です。また、そのような時期には終電間際まで仕事をしたり、土曜日に出勤していることも頻繁にあります。確か最近働き方改革関連法ができて月100時間を超える残業は違法になると聞いた気がするのですが、年俸制や裁量労働制に同意している以上残業時間の制限も残業代も関係ないのでしょうか?

A.年俸制をとっている従業員に対しても、法定時間外の労働に対する割増賃金は支払われなければならないのが原則です。また、裁量労働制を併用する場合はみなし労働時間が8時間以内であれば労働日の時間外労働に対する割増賃金は発生しないのですが、8時間を超える場合は超過する時間数について割増賃金が発生します。さらに、会社所定の休日や、労働日・休日を問わず22時から5時までの深夜早朝時間帯に労働した場合には労働基準法第37条1項・4項に基づく割増賃金が支払われなければなりません。本件では少なくとも深夜・休日の割増賃金が支払われなければならないことになるので、残業代の未払いが起こっていると考えられます。

参照:長野労働局「割増賃金に関する相談」

割増賃金に関する相談|長野労働局 (mhlw.go.jp)

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10. まとめ

上述のように、残業代未払いは違法であり、従業員には未払い残業代の支払いを受ける法的権利があります。しかしその請求にあたっては残業代計算・証拠収集・内容証明郵便送付そして会社との交渉や労働審判・訴訟提起など、会社を相手として従業員個人でやりきることが非常に困難な作業や手続が多くあります。この点、労働問題に強い弁護士に相談することにより、従業員個人では困難な未払い残業代の支払いを受けることが可能になります。

残業代に関するお悩みや御質問がありましたら、ぜひ法律事務所の無料相談をご利用ください。

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投稿者プロフィール

内田 貴丈弁護士
■経歴
2019年12月 弁護士登録
2020年1月 都内法律事務所にて勤務
2021年8月 弁護士法人PRESIDENTにて勤務
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