残業代請求
残業代請求の弁護士費用相場と依頼するメリットを弁護士が解説!

残業代を支払わない会社に対して、弁護士が代理人として請求することで残業代がスムーズに支払われる場合があります。
未払いの残業代は、従業員に支払われるべき賃金であり、未払いのままで放置しておくべきではありません。
しかし、実際に残業代請求をしようと思っても、どうすればいいのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
残業代請求をする際には、法律のプロに頼ることがおすすめであり、また、労務問題に強い弁護士に依頼することが大切です。
今回は、残業代請求を行うとき、弁護士に相談するメリットや弁護士の選び方、費用相場やよくある相談内容などを紹介します。
残業代請求に関するQ&Aも記載しているため、残業代請求に悩まれている方は参考にしてください。
目次
1.残業代請求を弁護士に相談・依頼するメリット
残業代請求をするとき、弁護士に相談、依頼することで得られるメリットについて紹介します。
弁護士は法律の専門家であり、法律について網羅的な知識を備えています。
また、労務問題に特化した弁護士であれば、残業代請求などの労務問題について、さまざまな知見を持っています。
さらに、会社側との交渉や訴訟を行なった経験や実績のある弁護士を選ぶことができれば、これまでの経験に基づいて、残業代請求についてよりスムーズに解決へ導いてくれる可能性が高いといえるでしょう。
残業代請求を弁護士に相談、依頼するメリットは、具体的に、以下の4点が挙げられます。
- 手間のかかる作業や交渉をしてもらえる
- 弁護士が交渉窓口になってくれるため、精神的負担が軽減される
- 弁護士が法的観点からアドバイスをくれる
- 解決までの時間が短くなる可能性が高い
それぞれについて解説します。
1-1.手間のかかる作業や交渉をしてもらえる
残業代請求を会社に行う際には、残業があったことを証明するための証拠集めや残業代の計算といった作業、実際に会社との交渉が必要です。
残業代を請求するためには、具体的にどれくらい残業が発生して、どれくらいの額を請求するのか、明確にしなければいけないからです。
残業が発生していたことの証明として使えるものとして、タイムカードや勤務時間の記載されたシフト表、通勤に利用した交通ICカードの使用履歴、業務に関するメールの送受信記録などが挙げられます。
また、残業代の計算をするためには、雇用契約書(労働契約書)や、残業代について記載のある就業規則などを確認する必要があります。
残業代が支払われていなかった証拠も必要であり、支払いがないことを示すために、請求したい期間中の給与明細や源泉徴収票なども必要です。
個人で証拠を集める場合、自身で集めることが難しかったり、手元になかったりすることで、残業代請求の準備が難航してしまう恐れがあります。
弁護士に相談することで、証拠集めがスムーズに行える可能性が高くなります。
弁護士であれば、会社に対して、依頼者の勤務時間や雇用契約書など、必要なものについて開示請求することが可能だからです。
さらに、残業代計算は、割増率などを正しく当てはめて計算を行う必要がある上に、事実確認が取れているものについて行わなければならず、手間がかかるものだといえるでしょう。
弁護士に依頼することで、残業代についても正しい数字を計算してもらえます。
自身での交渉が不安な場合にも、弁護士に依頼すれば、代理人として会社との交渉を担ってくれ、こちらも大きなメリットとして挙げられるでしょう。
1-2.弁護士が交渉窓口になってくれるため、精神的負担が軽減される
会社が残業代を支払ってくれず、残業代請求を行う場合、勤務先との交渉は精神的な負担が大きいものだといえるでしょう。
残業請求のための準備や実際の交渉は、時間も手間もかかり、個人で行うには時間の拘束が増えることは間違いありません。
生活面への影響が予想され、そのことからストレスがかかってしまう恐れがあります。
また、交渉などで会社から連絡が入ること自体が精神的に辛い場合もあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、弁護士が会社との間に入り、交渉を行うため、依頼者自身と会社が直接連絡を取ることがなくなります。
さらに、弁護士残業代請求の進行状況について、逐一、分かりやすく報告してもらうことで、不安も和らぐことでしょう。
実際の証拠集めなどの準備や交渉を弁護士にしてもらうことで、時間拘束からも解放され、生活への圧迫が軽くなります。
弁護士に依頼し、法律の専門家が代理人となることで、依頼人が感じる精神的負担は大きく軽減されることでしょう。
1-3.弁護士が法的観点からアドバイスをくれる
残業代請求について、法的に不利になることがないように、弁護士からアドバイスをもらえます。
法律や、労務問題に関する知識がない場合、捨ててはいけない証拠として使えるものを廃棄してしまったり、間違った残業代計算をしてしまったりするかもしれません。
また、法的に不利になるような行動を取ってしまい、残業代請求がうまくいかなくなる可能性があります。
個人で残業代請求した場合、証拠集めがうまくいかず、交渉が難航して長期化してしまうケースも考えられます。
法的に不利な行動をしてしまうことで、最悪の場合、交渉が失敗し、残業代請求をしても支払ってもらえないということもあるでしょう。
スムーズに残業代請求を行いたい人は、まず初めに専門的な知識を持った弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談し、アドバイスをもらうことで、残業代請求を適切に進めていくことができるでしょう。
1-4.解決までの時間が短くなる可能性が高い
個人で残業代請求をする場合、残業代が発生している証拠となる事実や資料を集めることから、残業代計算、そして会社側との交渉をすべて自分自身で行う必要があります。
残業代請求を確実に行うためには、事前準備となる証拠集めが肝要です。
十分な証拠を個人で集めるとなると、一定以上の時間が必要になることが予想されます。
また、個人で会社側との交渉をする場合、弁護士に依頼したときよりも時間がかかってしまうことが多いでしょう。
会社側にはさまざまな情報があり、さらに、法務部や顧問弁護士など、法律の専門家が交渉役を担っている可能性があります。
法律の専門的な知識だけでなく、交渉力も、個人と会社では大きく差があるといえます。
さらに、個人でする残業代請求では、まともに取り合ってもらえないケースもあるでしょう。
弁護士を通すことで、会社側がすぐに対応してくれる場合があります。
スムーズに残業代請求を完了させたい場合は、弁護士に依頼するとよいでしょう。
2.残業代請求を依頼する弁護士を選ぶポイント
弁護士へ依頼して残業代請求をするとき、残業代請求の経験があり、適切な対応ができる弁護士を選んで依頼することが大切です。
弁護士は法律の専門家ですが、法律の内容は多岐に渡り、弁護士それぞれによって得意とする分野が異なります。
法律事務所のHPなどを確認し、残業代請求をこれまでに扱っているのか、また、労務問題を得意としているかを事前にチェックしておきましょう。
2-1.残業代請求など労務問題を専門に取り扱っているか
残業代請求といった労務問題を専門に取り扱っているかをチェックしましょう。
弁護士は法律について深い知識を持っていますが、労務問題以外の法律的トラブルを中心に取り扱っている弁護士も多く存在します。
残業代請求などの労務問題を専門としている弁護士を頼れば、より安心してトラブル解決を任せることができるでしょう。
また、残業代請求以外にも、労務関係で解決したいトラブルがある場合は、そのほかの問題についても取り扱いがある法律事務所への依頼がお勧めです。
弁護士へ相談する際に、そのほかの困りごとについても相談してみると良いでしょう。
労務問題を専門に取り扱っている法律事務所であれば、労務関連のトラブルについて網羅的に知識やノウハウを持っている可能性が高く、専門で取り扱っていない法律事務所よりも、スムーズに問題解決に導いてもらえるといえます。
2-2.残業代請求の経験や実績があるか
法律事務所のHP上に残業代請求の取り扱いがある旨が記載されていても、実際に残業代請求をしたことがあるかどうかは別です。
これまでに残業代請求を行なった経験があるのか、また、請求が認められた実績があるのかを確認しましょう。
確認方法としては、HP上の記載のほか、弁護士のブログやコラム、法律事務所の口コミを見ることをお勧めします。
また、HP上で残業代請求の取り扱いが大きいかどうかも、専門としてトラブル解決に取り組んでいるか、判断するポイントになるでしょう。
残業代請求の経験や実績が確認できない場合は、依頼を控えたほうがいいかもしれません。
2-3.口コミだけでなく、実際に相談をして判断することが大切
SNSやネット上ではさまざまな口コミがあり、参考になるものも多く存在しますが、鵜呑みにしないことが大事です。
中には、誹謗中傷や噂話に近いものもあり、事実であるかどうかの判断が難しい場合があります。
記載されている内容をそのまま信じるのではなく、情報を精査し、参考程度に留めておくことが重要だといえるでしょう。
また、依頼を考えている法律事務所については、口コミだけで判断することは避け、無料相談などを利用して、実際に弁護士とコンタクトを取って、自分で決めることが大切です。
3.残業代請求を弁護士に依頼したときの費用相場
残業代請求を弁護士に依頼する場合、費用がかかってきます。
残業代請求の費用相場は、以下の通りです。
【残業代請求の費用相場】
- 相談料:無料〜1万円
- 着手金:無料〜30万円
- 報酬金:獲得した金額の16%〜30%程度
そのほか、弁護士の出廷や出張が発生した場合は、日当が必要です。
- 出廷日当:0円〜3万円
- 出張日当:3万円〜10万円
法律事務所によって設定されている費用は異なり、大きく差がある場合があります。
また、費用計算方法も事務所によって異なるため、どのような費用計算がなされるのか、事前に確認しておく必要があるといえるでしょう。
完全成功報酬型で初期費用を抑えることができる場合もあるため、自身の予算や請求する金額に合わせて選ぶことが大切です。
4.弁護士費用の種類
弁護士に依頼する際、かかってくる費用について、それぞれ内容を紹介します。
弁護士へ依頼したときにかかる費用は、弁護士法改正に伴って、2004年に報酬規定が廃止されたため、事務所によってかかってくる費用が大きく異なるようになりました。
費用を抑えて依頼するためにも、どのような費用の種類があるのかについて、知っておくことが大切です。
4-1.相談料
相談料は、弁護士に依頼をする前、解決したいトラブルについて相談する際に支払うものです。
相談料は、30分や1時間ごとにかかることが一般的です。
初回相談料や、複数回であっても無料で相談できる法律事務所もあります。
4-2.着手金
着手金は、実際に弁護士に依頼して、着手してもらうタイミングで支払うものです。
依頼した内容について、トラブルが解決しなかったり、訴訟で負けてしまったりした場合であっても、基本的には支払った着手金は戻ってきません。
完全成功報酬制といって、依頼した内容について成功した場合にのみ、費用が発生する制度を導入している法律事務所もあります。
完全成功報酬制を取っている法律事務所であれば、着手金がなく、初期費用を抑えて弁護士に残業代請求などのトラブル解決を依頼することができます。
残業代請求では、着手金は0円〜30万円が費用相場です。
基本的には、成功した際に獲得する金額の2〜8%程度が着手金の相場だといえるでしょう。
4-3.報酬金
報酬金は、成功報酬ともいい、依頼が成功した場合に支払うものです。
報酬金は、依頼した内容について、弁護士が介入したことで得られた成果の程度によって、変動します。
残業代請求では、報酬金は、獲得した金額の16%〜30%程度が費用相場です。
着手金が発生しない完全成功報酬制の費用体系を取っている法律事務所の場合、報酬金が高くなる傾向があります。
基本的には、成功した際に獲得する金額の4%〜16%程度が報酬金の相場といえますが、依頼するトラブルの内容によって費用は変わります。
4-4.実費
実費は、印紙代や切手代といった、トラブル解決のための交渉や訴訟で発生する費用のことをいいます。
裁判所を利用する場合、裁判所に納付する印紙代や、郵送する場合の切手代などがかかります。
また、弁護士が出廷や出張などをして、費用がかかった場合も、負担する必要があります。
出廷や出張でかかる費用を日当として費用に含め、弁護士の時間的拘束について支払われるものになります。
出張が必要な場合、日当のほか、交通費や宿泊費もかかってきます。
4-5.その他手数料
手数料は、書類作成などの単発で発生する手続きなどにかかる費用です。
契約書などの作成がある場合にかかってきます。
残業請求以外のケースであれば、法的な争いがない場合などで、事務的手続きを依頼するとき、手数料がかかります。
例として、契約書作成のほか、遺言書の作成や会社設立、登記などが挙げられます。
5.弁護士に残業代請求を相談した際の流れ
弁護士に残業代請求を相談し、依頼する場合、以下の流れで進められます。
会社側と交渉のみで解決することも多くありますが、交渉が決裂した場合は労働審判に進み、それでも合意ができなかった場合は、裁判(訴訟)へと進みます。
【残業代請求の流れ】
弁護士へ相談→残業代計算などの事前準備→会社との交渉→(交渉が決裂した場合)労働審判→(異議申し立てがあれば)裁判(訴訟)
それぞれについて、詳細に紹介します。
5-1.弁護士へ相談
まずは弁護士へ相談するところから始まります。
自分自身やトラブル内容に合った弁護士へ依頼することが大切です。
初回相談無料などを活用して、複数の法律事務所へ相談してみてもよいでしょう。
スムーズな解決を目指すためにも、個人で進めるのではなく、法律の専門家である弁護士に依頼することがお勧めです。
5-2.残業代計算などの事前準備
弁護士へ依頼後、交渉のための事前準備を行います。
弁護士に依頼した場合、法律以外にもノウハウなどに基づいて、何が必要で準備すべきか、的確なアドバイスをもらえるため、弁護士の指示に従って準備を進めていきましょう。
また残業代計算をしてもらい、未払い分の残業代について、正確な金額を算出します。
在職中であるなどの理由から、残業代請求の交渉を始める時期を遅らせたいといった希望があれば、弁護士に相談することができます。
5-3.会社との交渉
弁護士が会社との交渉を担います。
交渉は、書面や電話など、ケースに合わせて行われます。
交渉がスムーズに進み、支払う金額について合意できた場合、残業代請求の手続きは終了します。
交渉が決裂した場合は、労働審判に進みます。
5-4.労働審判
労働審判は以下の流れで進められます。
【労働審判の流れ】
申立て→期日指定・呼び出し→答弁書などの提出→労働審判手続期日(原則として、期日は3回以内)→調停成立もしくは労働審判→異議申し立てなしの場合は審判確定、異議申し立てがあれば、労働審判は失効し、訴訟へ移行
労働審判手続は、地方裁判所へ申立書を提出して申立てをするところからスタートします。
弁護士に依頼している場合は、弁護士が代理人として手続を担うため、本人が直接申立書を準備、提出する必要はありません。
審判が進められる内容について不安があれば、依頼している弁護士に相談して、説明を受けると良いでしょう。
労働審判では、原則3回以内の期日の中で、事実関係などを含む双方の言い分を聴いた労働審判官が審理を行い、話し合いでの解決ができそうであれば調停を目指し、難しい場合は、労働審判委員会が労働審判を下します。
労働審判では、審理した上で、認められた事実関係や手続経過などを踏まえて、事案の実情に即した判断がなされます。
示された審判について、異議が当事者から出なかった場合、審判は確定し、紛争終了となります。
労働審判が終局するそのほかの事由としては、不適法却下、移送、取下げ、労働審判委員会が労働審判手続を行うことが不適当であると判断した場合の終了が挙げられます。
労働審判では、初回の労働審判にのみ参加が必要ですが、そのほかの手続は弁護士に任せることができます。
5-5.裁判(訴訟)
労働審判で下された審判について、不服がある場合は、異議申し立てをすることができます。
異議申し立てがあれば、審判は失効し、訴訟へ移行することになります。
裁判に進んだ場合であっても、地方裁判所までで解決することがほとんどですが、裁判は労働審判のように3回といった期日の回数制限がないため、時間と費用がかかってしまうといえるでしょう。
裁判では、本人尋問のときのみ、依頼者の出廷が必要ですが、それ以外では、代理人として弁護士が出廷して裁判を進めます。
6.残業代請求をして解決した事例
残業代請求をして解決した具体的な事例について紹介します。
残業代請求を依頼するか検討中の方は、参考にしてみてください。
6-1.名ばかり管理職で未払いの残業代を請求し、訴訟で勝訴した例
衣料品などを取り扱う会社で技術課課長として働いていた人が、管理監督者の実態がなかったとして、支払われていなかった残業代について請求した事例です。
管理監督者は、労働基準法に規定の労働時間などの規定が適用されないため、残業代が支給されません。
しかし、管理監督者は経営に関わる立場である必要があり、その権限がない名ばかり管理職の場合、残業代は支払われるべきだといえます。
この事例では、申立人の職務内容から、管理監督者性が認められないとして、未払いの残業代について、会社へ支払いが命じられました。
勤務時間の証拠として、タイムカードが有効とされた例でもあります。
(エイテイズ事件、平成20年3月27日)
6-2.仮眠時間を労働時間として残業代を請求し、認められた例
ビル管理会社で、ビルに配属された従業員が24時間勤務のとき、実際に作業を行った時間のみに時間外勤務手当や深夜就業手当が支払われていましたが、作業をしていない仮眠時間も労働時間に含まれるとして提訴し、作業以外の時間も労働時間であると認められた事例です。
従業員が会社の指揮命令下に置かれている時間を労働時間といい、仮眠時間であっても、従業員は警報が鳴るなど、トラブルなどに即座に対応しなくてはならないことになっており、このため、労働時間に当たるとされました。
結果、会社は拘束時間すべてについて、残業代及び深夜就業手当の支払い義務があるとされました。
(大星ビル管理事件、平成14年2月28日)
7.未払い残業代の請求を弁護士に相談する際によくある質問
未払い残業代の請求を弁護士に相談する際、依頼者となる人が気になる点について、ピックアップしました。
事前知識がある上で相談することで、相談時間を短縮したり、相談内容を明確化させたりすることができるでしょう。
7-1.残業代請求の時効
残業代について、2020年4月1日以降に発生したものは、請求できる期間が3年間であり、それ以前のものについては、2年間、請求することができます。
これは、労基法の改正によって、賃金請求権の消滅時効が2年から5年(当分の間は3年)に延長されたことが理由です。
また、残業代未払などの労基法違反の態様が悪質な場合に課される付加金の請求期間も、2020年4月1日以降、支払いがなされなかったなどの違反があった場合の請求できる期間が5年(当分の間は3年)に延長されています。
7-2.労働審判の出席
会社側との交渉が決裂し、労働審判へ進んだ場合、依頼者である本人が労働審判に参加しなくてはならないタイミングがあります。
1回目の労働審判期日は出席する必要があります。
また、会社側からも当事者として会社側の担当者が出席します。
ただし、セクハラやパワハラなどの相手であるなど、申立人である本人に精神的負担がかかるような場合、弁護士から裁判所に対して配慮してもらうよう取り計らうことが可能です。
出席について不安や心配事がある場合は、弁護士に相談するようにしましょう。
本人が参加する労働審判においても、弁護士は代理人として同席します。
8.残業代請求に関するよくあるQ&A
残業代請求に関するよくある質問を紹介します。
残業代請求をする際に出てくる疑問や不安は、弁護士へ相談して、早めに解消しておきましょう。
手続き内容など、弁護士にしてもらうものであっても、気になる際は聞いておくことが大切です。
8-1.証拠として必要なものにはどんなものがありますか?
雇用契約書や労働契約書、就業規則が必要です。
そのほか、勤務時間を証明するために、タイムカードや勤怠の記録が残っているものがあれば、残しておきましょう。
日記やSNS上のログなども証拠となる可能性があります。
ただし、残業代請求に必要な書類を紛失したなどの場合であっても、弁護士に依頼していれば、弁護士が会社などに開示請求を行い、必要な情報を獲得することが可能なことがあります。
手元に公的なものが残っていない場合であっても、残業代請求を諦めず、まずは相談してみることが大切です。
8-2.残業代請求は退職後に行うべきですか?
在職中の残業代請求は、残業代請求後、会社からの待遇や嫌がらせの恐れがあるなど、不安が多くあるといえます。
しかし、退職後の残業代請求であれば、残業代請求の時効や、会社側のデータ改ざんなどの恐れがあり、一概に退職後に行ったほうがいいともいえません。
在職中であれば、証拠の保全ができたり、また、記録を取るなどして新たに有効な証拠を得たりできる可能性があります。
在職中、退職後に残業代請求を行う際のそれぞれのメリット、デメリットを把握し、比較して検討することが大切です。
自身のケースに合ったタイミングで、残業代請求をするようにしましょう。
9.まとめ
残業代は、従業員に支払われるべき賃金です。
証拠集めが難しかったり、会社側が交渉に応じてくれなかったりなど、個人で残業代請求をする場合、難航してしまう可能性があります。
支払われるべき残業代を確実に支払ってもらうためにも、また、精神的な負担を軽減するためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。
残業代請求といった労務問題を専門とする弁護士を頼り、スムーズな解決を目指しましょう。
投稿者プロフィール
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- 一歩法律事務所弁護士
-
■経歴
2004年3月 大阪大学法学部卒業
2007年3月 関西大学法科大学院卒業
2008年12月 弁護士登録(大阪弁護士会所属)
2008年12月 大阪市内の法律事務所で勤務
2021年3月 一歩法律事務所設立
大阪市内の法律事務所に勤務し、民事訴訟案件、刑事事件案件等幅広く法律業務を担当しておりました。2021年3月に現在の一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成、起業時の法的アドバイス等、予防法務を主として、インターネットを介した業務提供を行っております。皆様が利用しやすい弁護士サービスを提供できるよう心掛けております。
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