給与未払い

看護師のオンコール勤務は賃金請求できる?弁護士が事例で解説!

看護師のオンコール勤務は賃金請求できる?弁護士が事例で解説!
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1.本記事の要約

本記事は、横浜地判令和3年2月18日判決を参考にしています。

看護師の世界では、緊急時呼出用の携帯電話を常に携帯させられ、病院から呼び出しがあれば直ちに駆け付けなければならない状態が恒常化しています。

呼び出しにすぐ対応できるように待機している時間(このような時間を「オンコール勤務」といいます)は、賃金を請求できるのでしょうか。

判例はこの様な時間でも賃金請求できると判断しました。

2.本記事の対象者

・医療従事者の方

・医療従事者でオンコール勤務がある方

3.詳細

⑴争点について

オンコール勤務が「労働時間」に該当するためには、待機時間が会社の指揮命令下にあることが必要です。

本件判決では、看護師のオンコール勤務が会社の指揮命令下にあるかが争点となりました。

⑵争点についての結論

結論として、看護師のオンコール勤務は「労働時間」に該当すると判断されました。

本件判決では、オンコール勤務が病院の指揮命令下にあるかどうかにつき、以下のような事情が総合的に考慮されました。

  • オンコール勤務が労働から解放されていたといえるかどうか
  • 呼び出された場合の業務はどのような内容か
  • 呼び出しの理由はどのような内容か

⑶本件の具体的事情

本件判決では、

  • 待機場所が明示に指定されておらず、外出自体は許容されていたとしても、呼出しの電話を受ければ、実際に緊急出動に至らなくとも、相当の対応をすることを義務付けられていたこと(労働から解放されていたといえるか
  • 利用者ないし入居者、家族、施設職員等からの呼出しの電話があれば直ちに駆け付け、看護、救急車の手配、医師への連絡等の緊急対応を行うことを内容とするものであったこと(呼び出された場合の業務内容
  • 発熱、ベッドからの転落、認知症患者の徘徊、呼吸の異変等があり、実際に駆け付けることまではしない場合にも救急車の手配、当面の対応の指示等をするときもあったこと(呼び出しの理由

から、オンコール勤務は病院の指揮命令下にあったと判断されました。

⑷最終結論

本件判決では、看護師のオンコール勤務は「労働時間」に該当するとして、1,000万円を超える賠償命令が認められました。

4.諦めないでください!

まだまだ多くの病院で労働に従事したにもかかわらず、賃金が支払われていないのが実態です。

そして、本件判決のように、未払賃金の額は多額となる可能性があります。

医療に従事する以上当たり前だと考えたり、病院がオンコール勤務の賃金を支払わないと主張する場合にもすぐには諦めないで、是非一度弁護士にご相談ください。

投稿者プロフィール

牧野 孝二郎
牧野 孝二郎弁護士法人PRESIDENT弁護士
法律専門家として優れていること、そして、優しく誠実に依頼者に寄り添う弁護士であることを理想とする。
大手法律事務所で、事業部の責任者を務めた後独立し、自身の思いを名前に冠した「優誠法律事務所」を設立。
その後、「テクノロジーと人の力で、権利が自然と実現される未来を創る」という弁護士法人PRESIDENTの理念に共感し、入社。
現在は、労働問題及びネットトラブルの事業責任者として、これらの問題を取り扱う。

■経歴
2009年3月 法政大学法学部卒業
2011年3月 中央大学法科大学院法務研究科修了
2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会)
2012年12月 都内大手法律事務所にて勤務
2020年6月 Kiitos法律事務所設立
2021年3月 優誠法律事務所設立
2023年1月 弁護士法人PRESIDENTにて勤務

■著書
・交通事故に遭ったら読む本 第二版(出版社:日本実業出版社/監修)
・こんなときどうする 製造物責任法・企業賠償責任Q&A=その対策の全て=(出版社:第一法規株式会社/共著)
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