誹謗中傷・名誉毀損

削除済みのTwitterアカウントの特定はいつまでできるの?

削除済みのTwitterアカウントの特定はいつまでできるの?
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1.削除されたTwitterアカウントの発信者情報を開示請求できる?

以前の記事で、インターネット上で誹謗中傷をされた相手を特定する場合、発信者情報開示の手続きが必要になるとご説明しました。

そして、一般的に相手方がアクセスしたプロバイダの記録が3ヶ月~6ヶ月で消去されてしまうことから、その記録が消える前に開示の手続きをする必要があることもご説明しました。

しかし、Twitterの場合、誹謗中傷をした相手が自分のアカウントごと削除してしまったケースでは、もっと早い段階でTwitter側のアクセス記録(IPアドレスなど)が消えてしまいます。

もちろん、アカウントが削除されていたとしても、記録が消える前であれば、TwitterにIPアドレスなどを開示してもらうことは可能ですが、とにかく早く手続きをする必要があります。

そこで、今回は、削除されているTwitterアカウントの発信者情報を開示できる期間制限についてご説明します。

2.タイムリミットはTwitterアカウントの削除から30日!

一般的に、Twitterアカウントが削除された場合、30日程度でアクセス記録が消えてしまうと言われています。

実際に当事務所が担当した案件でも、この30日の壁に阻まれてしまったことがありましたので、「30日で記録が消える」というのは本当だと考えられます。

そのため、Twitterで誹謗中傷してきた相手がアカウントを削除した場合、この30日以内にTwitterに記録を保存・開示してもらえないと、発信者情報を特定することができなくなってしまいます。

3.いつまでに仮処分を申し立てればよいか?

⑴発信者情報開示の手続き手順

Twitterで誹謗中傷した発信者の個人情報を特定する場合、

  • ①裁判所に発信者情報開示の仮処分の申立てを行って、Twitter社にIPアドレスなどを開示してもらう必要があります。
  • ②IPアドレスの開示を受けることができたら、IPアドレスから相手方が契約しているプロバイダを特定し、そのアクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟を起こして、相手方の氏名・住所等の個人情報を開示してもらうことになります。

しかし、Twitterアカウントが削除されてから30日程度でTwitter側の記録が消えてしまいますので、30日以内に1段階目の仮処分手続きを進めないと、IPアドレスなどを開示してもらうことができなくなってしまうという訳です。

⑵仮処分の手続き

裁判所に仮処分の申立てを行うと、まず、申立て側(債権者と呼ばれます)と裁判官の面接が行われます。

この債権者面接が無事に終わると、今度はTwitter社側も裁判所に呼んで、双方審尋というTwitter側(債務者と呼ばれます)の反論も聞く手続きが行われます。

その後、双方の意見を聞いた裁判所が、発信者の情報を開示するのが妥当だと判断すれば、発信者情報開示の仮処分が発令されます。

⑶Twitter社側の対応

裁判所は、債権者面接が終わると、Twitter社に双方審尋の呼出状を送ります。また、申立て側も、仮処分申立書の副本をTwitter社に送ります。

Twitter社の本社はアメリカにありますが、最近、Twitter社は日本国内の代表者・送達先を定めているので、この際には日本国内の送達先に副本などを送ります。

Twitter社は、この呼出状や副本の送達を受けると、双方審尋を担当する代理人を選任します(日本の弁護士が選任されます)。

そして、代理人弁護士が決まると、先程の呼出状や副本がその代理人の元に送られます。

その後、代理人弁護士がアメリカの担当者にTwitter社のデータベースにアクセスして問題のアカウントのデータを探させます。

このタイミングで記録が残っていれば、代理人弁護士が双方審尋で発信者の情報を開示することが妥当ではないという趣旨の反論してきます。

このタイミングで記録が残っていなければ、代理人弁護士から申立て側に既に記録が消えてしまっていることが通達されます。

つまり、Twitterの代理人弁護士がアメリカの担当者にアカウントの情報を探すように指示するタイミングまでに削除から30日以上経過してしまっていると、IPアドレスなどが開示できないということになります。

⑷遅くともタイムリミットの2週間前には仮処分を申し立てたい

では、裁判所での仮処分はいつまでに申し立てればよいのでしょうか?

東京地方裁判所の場合、仮処分の申立て後に債権者面接が行われるのは、早くても2~3営業日後になります。

そして、債権者面接後に双方審尋の呼出状や副本がTwitter社の送達先に送られ、その後の代理人弁護士選任⇒代理人弁護士に記録送付⇒アメリカの担当者に指示、という流れに1週間程度はかかると考えられます。

そうなると、裁判所に発信者情報開示の仮処分を申し立てるのは、タイムリミットより10日前くらいでギリギリと言えそうです。

また、事案によっては、債権者面接で裁判官から追加で資料を出すように指示されて、面接が続行になることもありますから、その点も考えるとタイムリミットの2週間前には申し立てたいところです。

4.相手がTwitterアカウントを削除したらすぐに弁護士に依頼を!

上記で見てきたとおり、誹謗中傷した相手がTwitterのアカウントを削除した場合、発信者を特定するためには、早期に手続きを進めることが必要です。

アカウント削除から30日程度で記録が消えること、タイムリミットの2週間前に仮処分を申し立てることを考えると、削除から2週間くらいの間に裁判所に申立てすることが必要ということになりますから、それより前に弁護士に依頼する必要があります。

弁護士の準備にもそれなりの時間がかかりますので、弁護士に依頼さえすればすぐに仮処分申立てができるという訳でもありません。

そのため、もし、Twitterで誹謗中傷してきた相手がアカウントを削除した場合、できる限り早急に弁護士に相談されることをお勧めします。

当事務所では、インターネットトラブルの専門チームがご希望に応じて特急対応もしておりますので、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

甘利 禎康弁護士法人PRESIDENT協力弁護士
弁護士法人PRESIDENTの協力弁護士として、ネットトラブルなどの案件を担当。
法律の問題は、一般の方にとって分かりにくいことも多いと思いますので、できる限り分かりやすい言葉でご説明することを心がけております。
弁護士法人PRESIDENTとともに、皆様のお役に立つ情報を発信していきます。

■経歴
2005年3月 早稲田大学社会科学部卒業
2005年4月 信濃毎日新聞社入社
2009年3月 東北大学法科大学院終了
2010年12月 弁護士登録
2010年12月 都内大手事務所にて勤務
2021年3月 優誠法律事務所設立

■著書
交通事故に遭ったら読む本 (出版社:日本実業出版社)
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