炎上

企業のSNSが炎上しないために!弁護士が教える著作権の基礎

企業のSNSが炎上しないために!弁護士が教える著作権の基礎
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企業の発信がインターネット上で炎上してしまうことが増えています。

もっとも、炎上のパターンは一定程度類型化可能であり、特定の要素を押さえておけば炎上の可能性を大きく減らすことが可能です。

企業が炎上するパターンはこちら

そこで、今回は炎上してしまいやすい要素の一つである「著作権侵害」について解説したいと思います。

企業の炎上対策というテーマですので、一般的な企業の公式アカウントや企業役員、従業員であることを明記しているようなアカウントを想定したいと思います。

法律の詳細には深く入り込まず、できる限りわかりやすく、ポイントを掴めるように書きたいと思います。

1.著作権はどんなものに発生するの?

著作権法によれば、著作物について著作権が発生します。

そして、著作物とは「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」とされています。

以上の定義から、著作物は相当広い範囲ですので他人が作成したおおよそすべての表現物を発信するときは著作権に注意する必要があると考えても良いかもしれません

具体的には、小説、音楽(楽曲や歌詞)、バレエやダンス、絵画や彫刻、漫画、設計図や建築物、地図や図面、映画やテレビドラマ、CM、ゲームソフト、写真やグラビア、コンピュータプログラム、新聞や雑誌記事などすべてが著作物に該当します。

逆に、著作権が発生しないものもあります。 それは、法令、国や地方公共団体の告示や通達、裁判所の判決などです。

2.企業がSNSで他人の著作物を使用できる場合

著作権者の許諾がある場合には、他人を著作物を利用できます。

では、SNSなどで無断で利用することはできるのでしょうか。著作権法は一定の例外を認めています。

⑴私的利用の場合

個人や家庭内で、仕事以外の目的のために使用することは著作権法で例外的に許されています(法30条)。

もっとも、企業が主体でSNSでの発信となれば、個人や家庭内での使用とはいないでしょう。

⑵引用の場合

著作権法では、「引用」にあたる場合には著作物を利用できるとしています。

SNSにおける著作物をスクリーンショットなどで撮影した画像を投稿したり、著作物の文章をそのまま投稿したりすることが日常的に行われていると思いますが、企業の発信においては、著作権法上の引用の要件を満たすことを意識する必要があると思われます。

「引用」の要件は、著作権法32条や様々な裁判例から、以下のように考えるのが一般的です。

  • ①引用と自己の表現の主従関係が明確であること(引用が従)
  • ②引用部分が他とはっきりと区別されていること
  • ③引用をする必要性があること
  • ④出典元が明記されていること
  • ⑤改変が加えられていないこと

です。

3.違法と炎上の境界線

著作物を利用した発信は、Twitterを始め、多くのSNSでみられます。

そして、著作権を侵害しているのか否かの判断はとても難しいので、実際には侵害していなくても炎上してしまうことがありえます。

SNSの特性として、「違法と捉えることができる」「モラル違反」などの理由により炎上してしまうことがあり、炎上をしてしまうと企業としては何らかの対応をせざるを得なくなってしまいます。 ここでは、「違法かどうか」ではなく、「炎上リスク」の観点で書いていきたいと思います。

炎上リスクを下げるために、少なくとも企業発信については以下の点に注意した方が良いと思われます。

⑴引用の形式を守る

出典元を明確化したり、出典元のリンクなどをしっかり貼る。 「」などを用いて引用箇所との区別をおこなったり、引用表現だけではなく自身の考えや感想をしかっり述べるなど、引用の要件を満たすことを意識するだけでも炎上リスクを下げられると思います。

⑵他者による著作権侵害の投稿のリツイート(シェア投稿)は慎重に

リツイートが著作権侵害にあたるか?については、ここでは詳細は避けますが、最高裁や知財高裁などにおいて、著作権(同一性保持権や氏名表示権なども含む)侵害である旨の判決は複数出ています。

これらの判決をあまり理解しないまま「著作権侵害のツイートをリツイートしている」といった形で指摘が入る可能性がありますので、著作権を侵害している他者のツイートをリツイートすることは慎重になった方が良いと思います。

もっとも、Twitterなどで日常的に行われているような投稿についてのリツイートや、著作者自身のツイートをリツイートすることについては、炎上リスクは低いと思います。

4.事後対応が大事

もし、企業の発信が著作権侵害を疑われて炎上した場合、裁判にて当該発信の適法性を証明することは時間がかかるため、その間に炎上は広がってしまいます。

そのため、企業としてはそのような指摘に対して、適切に対応することが肝要かと思います。

SNSにおいては、「適法であっても」炎上することがあるため、その対応は専門家に相談のうえ、慎重にされることをおすすめいたします。

私たち弁護士法人PRESIDENTは、インターネットトラブルの部署を設置し、多くのインターネットトラブルに対応しているので、炎上対応・炎上対策についてお気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

甘利 禎康弁護士法人PRESIDENT協力弁護士
弁護士法人PRESIDENTの協力弁護士として、ネットトラブルなどの案件を担当。
法律の問題は、一般の方にとって分かりにくいことも多いと思いますので、できる限り分かりやすい言葉でご説明することを心がけております。
弁護士法人PRESIDENTとともに、皆様のお役に立つ情報を発信していきます。

■経歴
2005年3月 早稲田大学社会科学部卒業
2005年4月 信濃毎日新聞社入社
2009年3月 東北大学法科大学院終了
2010年12月 弁護士登録
2010年12月 都内大手事務所にて勤務
2021年3月 優誠法律事務所設立

■著書
交通事故に遭ったら読む本 (出版社:日本実業出版社)
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